TARO PHOTOS
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Behind · 2025-08-15 · 10 min

光で語る決意 ― Taro Photos の原点

被写体の芯を浮かび上がらせる一瞬を、迷いなく選び取るまでの思考と習慣を綴りました。

高層ビル群に差す夜明けの光を俯瞰で捉えた都市景

写真家として私が譲れないのは、光で意図を語り切ることです。現場に立つ前に“何を残したいのか”を必ず一行に言語化し、その言葉に沿って構図も照明も削ぎ落としていきます。迷いの余白を減らすほど、シャッターを切る瞬間に集中できるからです。

私は撮影ノートを現場ごとに一冊作り、プリプロ段階から撮影後のフィードバックまでを一気通貫で記録しています。ノートにはカメラ設定のほか、現場で交わした会話や匂い、空気の温度まで書き込む。記憶を言葉に定着させることで、次の現場で瞬間的に呼び戻せるからです。

判断を積み重ねるためのマイルール

  • 光の向きを 3 パターン以上試し、被写体が最も呼吸しやすい角度を選ぶ
  • 撮影前夜に“届けたいメッセージ”を音声で残し、当日朝に聞き返す
  • 本番後は 12 時間以内に振り返りメモを作り、次の案件に添える

これらを繰り返すうちに、光の置き方が感覚ではなく、意図と結びついた判断として体に刻まれるようになりました。自信とは成功体験の量ではなく、判断を積み重ねた回数から生まれるものだと今は断言できます。

撮る理由を定義できれば、光の置き方は自ずと決まる。

Taro Shirai

クライアントワークでは、撮影の終わり際に必ず一人で現場を歩き直します。照明を落とした空間で、撮影前に想定したイメージと実際の仕上がりがどれだけ重なったのかを確認するためです。この時間があることで、納品後の微調整に迷いません。『判断の精度』が信頼を積み上げると信じているからこそ、誰よりも遅く現場を離れることを自分に課しています。

写真は一次的な体験を永続させるメディアです。その責任感が私の矜持の源であり、光を味方につけるために自分を磨き続ける理由でもあります。これからも“想いを光に翻訳する”ことを軸に、見る人の心に長く残る一枚を追いかけていきます。

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