Harbor Blue Hour

潮風が色を溶かすブルーアワーの鼓動。

観覧車のライトが切り替わる周期をメモし、色が最も滑らかに移ろう瞬間を狙いました。海風で三脚が揺れるのでストラップを固定し、映り込みの線が崩れないよう粘っています。

水面に描かれた光のリボンが夜へ誘う。

波の周期が落ち着くまで待ち、1/2秒で滑らかな反射を描きました。ライトが飽和しないよう、ハイライトをマイナス補正しながら色のグラデーションを維持しています。

汽車道の線路跡が海と街をつなぐ橋になる。

旧線路のテクスチャを活かすため、ローアングルで前景をしっかり入れました。橋を渡る人の流れが切れる瞬間を待ち、開放寄りで背景を柔らかく落としています。

路地の温度を行き交う人が運んでいく。

路面の濡れ具合を残すため、雨上がり直後に撮影しました。歩行者の足取りがぶれすぎないよう1/60秒に設定し、提灯の光に包まれた空気感を優先しています。

ガラスの肌が潮風の色を集める。

ガラスの反射が複雑だったので、一歩ずつ位置を変えながら街灯の映り込みを整理しました。運河の暗部が潰れないよう、ハイダイナミックなRAW現像を前提に露出を決めています。

湾岸の灯りが夜を柔らかく抱く。

ビルの照明が全点灯する時間帯に合わせ、手前のフェンスが入らない位置を探りました。遠景の色が濁らないよう、ミッドトーンを落としてクリアな蒼を残しています。