Highland Drift

稜線をなぞる霧が夜と朝の境界をほどく。

夜明け前から気温を計測し、霧が一番薄くなる瞬間を狙いました。風が吹き抜ける直前にドローンを離陸させ、紅葉の階調が濁らないよう露出を小刻みに調整しています。

斜光が雲海を撫で、谷の鼓動が目に見える。

太陽が顔を出す瞬間に合わせ、シャドウを持ち上げすぎないようRAWで粘りました。斜面のラインが引き立つよう、レンズフレアをカットする角度を探って飛ばしています。

尾根の上に手書きの線のような雲が走る。

雲の流れが速かったので、シャッターをやや遅くしてスローシャッターぎみに撮影しました。尾根の質感を保つため、三脚を低く構え風の振動を抑えています。

湖面が秋色の記憶を逆さまに抱きしめる。

湖面が揺れない風待ちをしながら偏光を調整し、反射と透過のバランスを探りました。手前の落ち葉をあえてフレームに入れ、季節の厚みを足しています。

遊歩道が金色の風に包まれる午後。

遊歩道を歩く人が少ないタイミングで、ローアングルから並木の高さを誇張しました。光が硬くなりすぎないよう、露出はアンダーに振って後処理でシャドウを起こしています。

木道が静かな水面へ手を伸ばす。

木道の線が真っ直ぐ見えるよう、センターから外して構図を取り直しました。霞んだ空を取り込みすぎないよう、フレーム上部を詰めて視線を誘導しています。

街の灯が消え、山が光を引き継ぐ夜明け。

街の明かりが消える直前の数分を狙い、ダイナミックレンジが広くなる時間帯に合わせました。富士山の稜線が滲まないよう、ホワイトバランスを少し暖めています。

ライトトレイルが山麓の呼吸をなぞる。

車の往来が安定する時間帯に合わせ、複数の露光を重ねず一枚で勝負しました。ライトトレイルが繋がるよう1/4秒に設定し、山のシルエットにノイズが乗らないようISOを抑えています。