Morning Transit

丸の内の心拍が朝陽でゆっくり動き出す。

始発前の静けさが解ける瞬間を待ちながら、三脚なしで街の鼓動を拾いました。赤煉瓦の色が過剰にならないよう、露出を微妙に抑えて柔らかな立ち上がりを残しています。

石畳に落ちた影が朝のテンポを描き出す。

足音が増える前に俯瞰せず路面ギリギリで構え、影がリズムを刻む様子を追いました。石畳の反射が飛ばないよう偏光を弱めに設定しています。

ガラスに跳ねた朝陽が人の流れを二重写しにする。

八重洲のビル風が強く三脚が使えなかったので、ガラスへの映り込みを手持ちで丁寧に追いかけました。映り込みと実像のコントラストを揃えるため、WBは太陽光に固定しています。

高架の影が通勤者の列に呼吸を与える。

高架下の暗部が潰れないよう、ISOを上げつつシャッター速度を1/320sにキープ。列が途切れるタイミングを見計らい、奥の明かりと手前の影を同じバランスで収めました。

首都高の影が街路に柔らかな呼吸を残した朝。

交通量が落ち着く一瞬を見計らい、路面の光が一番柔らかな時に露出を合わせました。ローアングルからラインを拾い、街路樹の緑がわずかに残る色を活かしています。

まだ眠い街のなかで声が交わり始める。

朝活会場の空気感を崩さないよう、距離を保ちながら長めの焦点距離で切り取りました。参加者同士が目を合わせた瞬間を待ち、会話の輪郭が伝わるよう肌トーンを丁寧に残しています。